そうし ないではいられない自分がい る。
そうしな いではいら れな い表現がある。
自分自身を受け入れるために、認めるために

M.S.A. Collection 2003 参加 OM-2/黄色舞伎團 「作品 No. 1」-青い死-

スイス、ポーランド、東京、金沢で絶賛を浴びた前作
「いつか死んでゆくであろうすべてのものたちへ」
その流れをくみながらのOM-2新作。
03年ヨーロッパツアー、タイ公演に先駆けての東京公演。

構成・演出:真壁茂夫 Script/Direction : SHIGEO MAKABE
2003年3月14日(金)〜17日(月) 麻布die pratze
tel: 03-5545-1385(水曜定休 18:00〜23:00) 15日(土)アフタートークあり
開演時間:19:30 16日(日)のみ17:30
開演の30分前より受け付け開始

<チケット>
一般Normal 前売り Advance/¥2,800  当日 Box office/¥3,300 
学割 Students discount(要学生証) 学生前売りAdvance/¥2,000 学生当日Box office/¥2,500
フェスティバル通しチケット(前売りのみ、die pratzeで予約受付) 一般/ \8,000 学生/ \6500
<チケット取り扱い> チケットぴあ 03-5237-9999
<予約・問い合わせ> 神楽坂 die pratze 03-3235-7990 (火曜定休 13:30〜18:30)
E-mail: pratze@ask.ne.jp

CAST:佐々木敦、内田久美子、中井尋央、村岡尚子、柴崎直子、丹生谷真由子、掛川祐子、坂口奈々 他
ATSUSHI SASAKI / KUMIKO UCHIDA / HIROO NAKAI /SHOKO MURAOKA / SHIBASAKI NAOKO / NYUNOYA MAYUKO / KAKEGAWA YUKO / SAKAGUCHI NANA

STAFF舞台監督/長堀博士 舞台監督助手/二階堂洋右 舞台美術/池田包子 照明/内山洋子 作曲/佐々木敦 他 音響/堀越竜太郎 映像/金丸悠児、赤瀬靖治 宣伝美術/ARISAKA(有限会社ディズヌーベル) 写 真/田中英世、青木司、Otto 翻訳/NAX 制作/村岡尚子、安生玲子

企画・製作:OM-2、die pratze、Workom 協力:中村麻美、萩原康吉、川端浩、早貴弓夏、J・佐藤、佐藤恵美子、斎藤加奈子、金沢祐貴子、宇田川正治、田口博史、浅村信夫、 AGUA GALA、楽園王

助成:芸術文化振興基金

OM-2 OFFICE 〒162-0812 新宿区西五軒町2-12 die pratze内
Tel/Fax: 03-3235-7990
HP: http://www.ask.ne.jp/~pratze/om-2/
E-mail: pratze@ask.ne.jp

キャスト・スタッフ募集
OM-2では、キャスト、スタッフ、公演を手伝ってくれる人を募集しています。性別 、年齢、経験は問いません。詳細はE-mail、電話、FAXでOM-2までお問い合わせください。

 


OM-2『いつか死んでゆくであろうすべてのものたちへ』
心の底の恐怖を見つめる俳優たちの、美しく幻想的なショー......この作品は、ある種の告発と言えるかもしれない。 今の日本の社会は、全体としては、まあ幸福な感じもするし、そう感じさせる文言や商品は巷に横溢している。 しかし一方で、実はかなり残酷に人間を追いつめているのではないか。 そんな思いがひたひたと身近に押し寄せてくる。
 この作品を制作している「OM-2」は、インパクトのある表現を求めて果敢な実験を続ける集団だ。 それも徹底的に自由な方法で。 本作ではストーリーも場の設定も取り払われ、台詞もほとんどなくなった。 また、これまで国外、国内で5回上演されてきた(初演は昨年10月のスイス・ベルン)が、その形態は野外劇だったり、劇場だったり、野外+劇場だったりと、流動的だ。 では、結局、何を見せているのか。 それは、俳優一人一人のアイデアによる彼ら自身の恐怖、飢餓感、閉塞感などの表現である。
 ある男優は、舞台に仁王立ちになって雄叫びを上げ、胸に抱いた風船を破裂させて赤い血のような水を迸らせる。 それから床一面 のローソクに一本ずつ灯をともしていく。 別の男優は、大量の濡れた泥を積み上げ、その中で転げ回る。 ある女優は、あたりに張りめぐらされたテープにとらわれ、もがき、やがて歌を歌い出す─。 そんなふうにして俳優7〜8人のパフォーマンスが行われていく。 どちらかといえばヒステリックで残酷なショー。 しかし見終わるころには、心の底の苦悩を見据えようとする一人ひとりの真剣な熱意(それを勇気といってもいい)に、感動を覚えずにはいられないだろう。 体の一部やガラスのかけらに映像を映すような凝った仕掛けも、随所に登場する。 身体と映像、音楽、照明を巧みに組み合わせ、ときには息を呑むほど美しく不思議な光景を出現させているのだ。
 今回は、初演から1年間変化し続けてきたこの作品の集大成。 俳優たちがその生身を振り絞って描き出しているのは、まちがいなく、今の日本に住む人々の心の闇である。 是非それを劇場で確かめてほしい。

井上二郎 週間 SPA! 10月8日発売号より

 

 OM−2「いつか死んでゆくであろうすべてのものたちへ」

もう一度観たい。 次回作でも、今回のものでも構わない。 OM−2という団体に、作品を通 して出会ってみたいのである。 こんなにも興味がわくのは何故だろうか。 一つには、いつもより想像力がかき立てられたからである。 この言い方は合っていないが、例えば体を縛られている、固定されているという想像まではできても、自ら体の各部を縛っていき、しまいには顔までも見えなくしてしまう、というところまでは、何もないところから想像するのはやはり難しいのではないだろうか。 今回の外のシーンで私は、ガムテープを巻く男性俳優がいたことで、1秒1秒が何かしら心踊らされる感覚をずっと抱くことが出来た。 その男性俳優がいなかったら、またあれほどまでに徹底してガムテープを巻かなかったら、その感覚は味わえなかったかもしれない。 それは観客としての私が、一方的に考えているだけなのかもしれない。 が、初めてのOM−2作品で感じたのは、役者の存在にしっかりとして存在感があったことだった。 同じ空間を共有している(僅かながらの)一体感。息づかいや汗が飛散ってきた訳でなく、観客に対するあからさまなサービスがあった訳でもない。 しかし存在感は絶えることなく、役者が舞台に立っていることで、見ている自分を確認したような感じがした。 ただ、面 白かった。 次は何が起るだろう、次は何が起るだろうと期待と不安と「もっとやれ!」という気の入り混じった気持で観ていた。 そして次も観たいと思う。 その時間、その場所でしか感じられない空気が必ずあるから、そこに身を置いてみたいのだ。  

植木さやか(金沢在住「新人類人猿」俳優)

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